うつ病 家族への接し方と子供への影響 うつ病体験談

うつ病回復体験記 うつ病と家族の関わり 

うつ病である私が子供に悪影響を与えてしまう不安

私がうつ病だった折、自分のうつ病の苦しさ、つらさ、どうしようもなさだけではなく、家族のことでも苦しみました。
一番の気がかりは、子供への悪影響。
アメリカの精神科医の書いた本を読んでいた時、うつ病の親は、子供に精神発達、社会的な発達に長期的な悪影響を与えてしまうという一節があった。

ただでさえ、子供への悪影響を心配していた時で、こんな俺でいいのだろうか? 子供もうつ病になる下地がこれでできてしまわないか、そうじゃなくても心配をかけて、苦しませてしまうことになることを恐れていた時だった。
金銭的にも、このままうつ病で働けなくなったら、教育も日々の生活すら大変な思いをさせてしまうかもしれない。

私の子供になったばっかりに、苦しませてしまうことだけは避けなくてはいけない責任感がありました。
うつ病の親の子供への悪影響の一節を読んだ時、その恐れが本当に起こりうるという恐怖に支配されてしまい、うつ病がますますひどくなってしまった。
ここで気力を振り絞って子供のために何とかしなくてはいけない気持はあるけれど、動けない自分に愕然としたものです。

うつ病と夫婦関係

また妻に対しても、苛立ちを隠さないようになってしまいました。
妻は妻で、私のうつ病や、子供の適応に悩んでいる状況への対応、自身の心の悩みで大変だった中、どうしてもすれ違いが多くなってしまった。
それでも、妻は必死で私を支えようとしてくれていたと思う。

うつ病の時、関係が強い人に(つまり家族が多い)、苛立ちや怒りが湧いてきて、それをぶつけてしまうらしい。
まさに私が孤立無援な中、そういう感情のはけ口をぶつけることができるのは妻しかいなかった。

そのあとの自責の念は、自己否定感と自殺念慮につながり、ますます自分を追いつめただけだったが。
妻もついに爆発して「もっとしっかりしてよ! あなたが支えなくちゃどうなってしまうのよ!」と言われた。
ずっと胸の奥にしまい込んで、決して漏らさないようにしていたことを、妻は言ったのだろう。

どうしようもない私は、このとき一番「死ぬしかない」と思った。
しかし、死ねなかった。子供はどうなってしまうんだろう、この一点だけが私の命をつなぎ止めていた。
その後、妻もまずいと思ったのか、「一時の感情的な発散にすぎない、本気で思っているわけじゃないのよ」とフォローしてくれたが、溝は開くばっかりだった。

うつ病である自分、夫婦仲の微妙な空気が子供に伝わる心配

夫婦仲がすれ違って、冷たい空気、一種のあきらめの雰囲気が漂っていたことを、子供はどう感じていただろう?
でも、どうすることもできなかった。
子供と接することも億劫になり、子供との精神的つながりも薄れてきたように感じる。

本心は、ここまでお前のことを考えている人間はいないし、だからこそ心を痛めているが、子供はそれを感じてくれているだろうか?
おそらく感じてはいないと思う。
このようにうつ病はすべてのつながりを断ち切ってしまう。

家族、夫婦みんながうつ病になってしまう危険性

妻は私にもはや頼れないことで、彼女自身ノイローゼになっていた。
よく夫婦でうつ病を発症するケースが頻発すると言うが、まさに私たちのケースもそれに当てはまっていた。

私の存在が、そしてうつ病である私が存在する限り、みんな不幸になる。
仕事への心配も大変な心労だったが、家族のこと、これに勝る心配事はないだろう。

そんなとき、うつ病回復に一番効果的だった方法に書かれてあるような克服法を知ることができた。
私がうつ病から回復していくにつれて、妻も(日本に戻ったこともあり)本来の気持の余裕が出てきた。
子供も妻も私をサポートしてくれた。

私はそれを力にして、更に前に進んでいくことができた。
悪循環に陥れば、人はどこまでも悪化し続けるが、何かのきっかけがあれば、よりいい循環になると言うことです。

うつ病は家族中をギクシャクさせる

もし、あのまま解決できないままに時間が進んでいたら、どうなっていただろう? こう考えることがたびたびあります。
最悪な事態になっていたことを想像するのは簡単だ。

私がうつ病にケリをつけることができはじめると共に、子供との交流も増えてきた。
子供も日本に戻り、最初は不安を感じていたが、幸い言い友達にも恵まれて、やっと居場所を見つけたようだった。
うつ病による子供への精神的、社会的発達への悪影響は避けられたと思っている。

妻とは、私のうつ病が解決してから離婚することになった。子供は妻が引き取ることになった。
別れたといっても、妻や子供がうつ病の私を必死でサポートしてくれたことは、よくなった今感謝しても感謝しきれない。

現在は離れて暮らしていることから、わだかまりもなく、子供のよき父と母として、いい関係を築くことができている。
まるで私のうつ病発症以前の関係のようにしっくりいっている。
あのまま二人で一緒にいたら、逆に足引っぱりになっていたかもしれない。

離婚しても私はショックではなかった(それでうつ病になる人も多いという)し、妻も自立心が芽生えて、自分のやりたい道を見つけたようだ。
だから、別れて結果オーライだと思っている。

子供には親の離婚というつらい思いをさせてしまったから、その埋め合わせ、精神的な充足感を味あわせてやりたい。

家族はうつ病で生じる感情的すれ違いに負けないでください

この体験記をうつ病本人だけじゃなく、その家族も読んでくれれば幸いです。
うつ病は家族のサポートが必要です(私の別れた妻も必死でサポートしてくれました)。
でも、時には私たちのようなすれ違いが発生します。
それはうつ病だからこそ起こりうることです。
本心で憎いとか、嫌いだとか、邪魔だからということで人に対して苛立ちや不安をぶつけるわけじゃないのです。
うつ病という特殊な状況だからこそ、生じることに過ぎません。

うつ病患者と家族、子供との対応。どう接したらいいのか。すれ違い、子供への悪影響、鬱病が回復しなかった場合も家族が皆うつ病になる心配など


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